マンハッタンには美味しいイタリアン・レストランが沢山ある。
その中のひとつに「i Trulli」という素敵なレストランが好きで、よく通っている。
このレストランが美味しいということ以外にも贔屓にする理由があるのは、F１ファンで私の「モナコ」のページを御覧になった方ならおわかりだと思う。
このレストランは、初夏から秋口までは中庭のパティオで食事ができ、冬になると、店内の暖炉に火がはいる。
私はここのウェイターが食事やデザートを運んで来るタイミングがとても気に入っている。
それは音楽にも似たものがあって、きっと日本の茶懐石にも通じるものがあると思う。

レストランに行く前に、私の師匠兼友人のラルフ・ギブソンが62丁目のエルメス・ニューヨークの四階のギャラリーで個展をやっていると言うので見に行った。
彼の作品には、毎回新しい驚きがある。
その時の個展のテーマは『ギター』だった。
ギブソン氏自身、写真をやってない時はギターばかり弾いているんだよと言うくらいギタ?好きで、私も、もう御勘弁をﾉというほど聞かされたことがある。
作品は大判で、カラーとモノクロームの両方がエルメスのきれいな壁に掛けてあって、どれもオリジナルは５枚限りとなっていた。
多分、憶測ではあるけれども、１枚でちょっとしたクルマが買える値段すると思う。

食事を終えて、夜９時半時からの３D版「Polar Express」を見にブロードウェイと68丁目まで行った。映画は３Dじゃなかったら、ちょっと退屈したかもしれないけれども、アメリカ、それもニューヨーク独特の「お客のノリ」が感じられて、楽しかった。

映画を見終わった時はすでに深夜12時を回っていた。
だけど、通りはオレンジ色の街灯が煌々と点り、歩道にはまだ夜はこれからだと言わんばかりの人々であふれていた。
このまま帰ってしまうのはもったいないなﾉとふと思った。

美しい画像と、それに見合ったイタリアン料理。
マンハッタンがとてもステキな町に思えて当たり前の一日だった。